ニューズレター

2001年6月25日号より

カリオグラム/う蝕リスクをビジュアルに
評価してくれるコンピューターソフトプログラム
日本歯科審美学会 会員 桃井保子

 現在、多くの臨床家が、う窩の修復と同様う蝕予防と真剣に取り組んでいます。ところで、皆さんは、プラーク・スコアのみで患者さんのう蝕リスクを評価していませんか?う蝕予防はプラークコントロールのみと考えていませんか?
 ここに、紹介する‘カリオグラム’は、う蝕が複数の因子、すなわち唾液の性状や食習慣、患者さんを取り巻く環境から成り立つことを、わかやすくビジュアルに再認識させてくれます。歯科医や衛生士だけでなく、患者さんとの対話に、また学生の教育に、活用の場が広がります。プログラムは、1997年にルンド大学(スウェーデン)のダグラス・ブラッタール教授が長年の研究結果を基に完成させました。以来、多くの国で使用されています。日本では、熊谷 崇先生(酒田市)が早くから導入に取り組んでこられました。現在、株式会社オーラルケアが販売しています。プログラムと解説書の定価は、6,980円と、その有益性からして大変安価と思います。
 ブラッタール教授と製作スタッフは、「う蝕の根絶は、まずう蝕を理解することから」を信条に、国境を越えての普及を望んだ結果、現在は英語版に限りますがインターネットで自由にダウンロードできるようにさえなっています。簡単に紹介します。
 インプットするデータは、患者さんの口腔内診査から得たDMFT、プラーク・スコアー、また問診より得た全身状態、食習慣、フッ素の利用状況、それと唾液試験から得た唾液の量と緩衝能、ミュータンス菌の量です。これらを、0から3の指数でプログラムにインプットしますと、う蝕リスクが円グラフ(図)で表示されます。円グラフは5つの領域に色分けされており、各々がう蝕関連因子を表します。リスクを下げるのに、どの因子をコントロールするのがその患者さんにとって最も効果的か、容易に判断できます。リスクに対応した予防法が提案され、これをプリント・アウトすることもできます。患者さんと一緒に、コンピューター画面を見ながら、楽しく操作できることが大きな魅力です。


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