ニューズレター

2003年2月号より

ごあいさつ

歯科審美を発信する
日本歯科審美学会長 石橋寛二

 最近、郷土料理と土地特産食品の風味と豊かさを再発見し、食文化を見直すことから始めて、ライフスタイル全体をも考え直そうという流れが出ております。食は家族、地域、自然の中心に位置付けられるものだけに、その土地に固有の味を守ることは、文化を育てることに繋がると理解されます。歯科医療の最前線にいる私たちも、医療技術の革新を積極的に行い、患者さん本位の、地域に根ざした、質の高い歯科医療を目指さなければなりません。それは、すなわち国民の生活の質を高めることに貢献することになると思うのです。
 人が人らしく活動していくためには、身体的(physical)、精神的(mental)、社会的(social)に調和していることが必要だと言われます。社会状況と患者さんの意識の変化は、当然ながら歯科医療の変化へと連なります。疾病の治癒から健康の維持へ、症状が発現したときだけではない持続的・総合的医療へ、歯科医師の指示ではなく患者さん自身が臨床決断に参加する関係へ、経験主義から事実に基づく医療へとシフトしております。
 そして歯科医療を取り巻く環境に目をやるとき、「もの」志向から「こころ」への変化を社会が求めていることに気づきます。画一化されない多様な価値観に支えられた現代社会にあって、「こころ」に軸足を置いたライフスタイルに呼応する本学会の姿が浮かんできます。
 これらの背景を認知して、日本歯科審美学会は動き、世に発信してきました。とりわけ最近の本学会は、多くの会員の意見を吸収しながらエネルギッシュに進んでおります。学術大会やセミナーに参加された方々は、今までとは違う何かを感じているのではないでしょうか。
 私は今、「歯科審美とは、口腔領域における美を求めることによって、健康寿命の延長を目指した新しいライフスタイルの構築を支援するもの」と理解しております。本学会が、価値ある歯科審美を会員に、社会に発信し続けるために、多くの方々のご意見とご協力をお願い申し上げます。


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