ニューズレター

2003年2月号より

虫歯治療、樹脂材料で白い歯を

声をあげよう!
東京医科歯科大学大学院 う蝕制御学分野 田上順次

 昨年8月31日朝日新聞朝刊の「私の視点」欄で「虫歯治療、樹脂材料で白い歯を」と題する意見を掲載していただいた。各方面より様々な意見をいただき、本学会では細田理事よりさらにこうした意見を社会に広く主張すべしとの激励お言葉をいただいた。
 記事の要旨は以下のようなものである。
「白い歯展望が高まっているが、−般には高価な治療と考えられている。現在では科学技術の進歩により、レジン材料で十分丈夫で審美的な治療が可能である。この方法では1回で治療ができ、歯質保存的であり、無痛治療も可能だ。しかし残念ながら諸外国の趨勢とは異なり、日本では臼歯には余り使用されていなくて、ほとんどが金属修復である。理由は保険点数が低すぎるため、歯科医にとっては治療すればするほど赤字が増えるからである。より多くの人に普及するためには、保険点数をあげるべきだが、これは到底望めない。ならば自由診療にするべきで、経費材料費などから計算すれば適切な料金が設定されよう。米国では平均200ドル程度であり、この料金であれば日本の歯科医師もレジンを患者さんに勧めることができる。何もかも保検で高度な歯科医療をというのは無理な話だ。患者さんの満足度は低いが極度に低額な保険治療と、法外な自責診療に二分されがちな日本の歯科医療にも、患者さんの多様化するニーズにあらた選択肢を提供すべきだ。」
 さて、このような事態を招いた責任はどこにあるのだろうか。
数年前に歯科保存学会で同様の意見を投げかけてシンポジウムを企画したところ、参加者から。(ほとんどが大学の先生方)の反応は非常に低調であり、拍子抜けをした。ただ一人、開業医の先生から、企画について感謝された。大学人としてはついつい学術的な活動に逃げ込んでしまいがちだ。
 当事者が声をあげずにいったい誰が制度や規則を変えてくれるのか。機会があるたぴにひとりひとりが、また各学会として、不合理なものは不合理であると、社会に訴えていただきたいものである。


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