ニューズレター

2003年8月号より

審美学会セミナー・シンポジウムIIに参加して

 日本歯科審美学会が2001年から約2年間にわたり開催してきたセミナーの締めくくりとして、「21世紀の審美歯科を築く」と題したシンポジウムが平成15年3月21日(金・祝日)に東京・ゲートシティーホールにて盛大に行われた。ゲリー・ウンターブリンク氏(リヒテンシュタイン開業)は最近進歩の著しい接着技法を用いたコンポジットレジン修復やセラミック修復を紹介された。片岡繁夫氏は審美修復における、天然歯の持つ「質感」の再現の重要性とその難しさを強調されていた。筒井昌秀氏は、より高いレベルの審美補綴を行なうには、包括歯科治療が必要不可欠であることを多くの症例を通して示された。本多正明氏は、口元の美しさを回復維持するうえで、安定した咬頭嵌合位の重要性を咬合面形態に着目して症例を呈示しながら説明された。さらに、審美修復に際して以前はブリッジによる広範な修復処理をしたが、今ではインプラントと矯正処置が有効であることを強調されていた。山崎長郎氏はボンデイング法の向上により、支台築造も金属のダウエルコアからファイバーポストとレジンによる方法に代わった事、またオールセラミッククラウンによる審美修復の進歩をプロセラの症例を交えながらも呈示されていた。丸山剛郎氏は、真の美しさは、形態だけではなく、機能的な美しさ、さらにはそれによってもたらされる全身の美しさ、さらにはそれと一体となるべき心の美しさの重要性を、最近の全身と咬合の関連性に関する知見から説明されていた。いずれの演者も、歯科修復材料や接着技法の進歩、そしてインプラントの信頼性の向上と各種アバットメントの改良による高いレベルの審美修復の可能性を、すばらしい症例を呈示しながら聴衆に印象づけてくれた。最後に黒田康子氏の司会により、これからさらに新しい展開が必要と思われる歯科医療において、審美歯科の重要性を再認識するとともに、その益々の発展を期待させるような内容の活発な討論が行なわれ、盛会のうちに終了した。今年から始まる次のセミナーに是非期待したい。

(東京都開業 栗原俊也)


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