ニューズレター

2004年 Winter Vol.9 (2004年1月発行)より

「香り」から心のやすらぎ 人の夢

東北福祉大学感性福祉研究所 伊藤あづさ

「私と8月6日」…中学3年生の時、県の弁論大会で入賞した時の演題です。その年巡回展での「原爆展」との出会いは、心を大きく揺さぶる衝撃と共に、その後のヒトとしての生き方に大きな影響を与えた出来事でした。そんなこともあり、「広島」は、思い入れの大きい地でした。
 縁あって、その広島で「香り」のお話しをさせていただきましたこと、そして多くの臨床現場の先生方に歓迎していただけましたことを、まず御礼申し上げます。
 未知の感覚とも言われる嗅覚は、人間の感覚の中でも原始感覚の一つと言われており、気分(mood)のような、比較的弱いが持続的な底辺感情への効果が大きいものです。近年ではアロマセラピー(芳香療法)がブームになり、精油の持つ効能・効果を暮らしの中で活かすことも注目を集めています。が、これまでの日本における「香り」の研究は、どちらかというと化学的・心理的な側面からのアプローチが多く、理論を実際に応用・検証し、「心と体が共に楽になる=癒されるという実感」へと発展させることができませんでした。
 そうした研究背景に敢えて挑戦し、成果の一端として、免疫効果・抗菌効果を具体的に提示させていただきました。このことに、医師である先生方の多くが興味を持ち、今後の臨床応用への手応えを掴んでいただける結果となったようで、その後たくさんの励ましをいただきました。改めて今回のご縁に感謝申し上げます。
 日本においても安全で正しい香りの使用法が定着し、さらに文化として根付くことを目標に、今後も精進してまいりたいと思っております。「香り」によるやすらぎが人の夢を育む…幸せのお裾分けを広げていきたいですね。


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