ニューズレター

2005年 Summer Vol.11 (2005年8月発行)より

優秀発表賞受賞者のご紹介

学会優秀発表賞を受賞して(第13回学術大会)
東北大学大学院歯学研究科
口腔修復学講座咬合機能再建学分野 五十嵐奈美

 平成14年度日本歯科審美学会において学会優秀発表賞を受賞させて頂き、ありがとうございました。大変光栄に思っております。
 補綴処置を行うに際し、形態、機能の回復と同時に審美的な面での要求が高まってきており、より自然感のある調和した色調が望まれるようになりました。現在、臨床現場で実際に広く応用されているのは視感比色法ですが、その術式も最適な環境条件も確立されてはおらず、そのため補綴物の色調再現性には多くの問題点が残されています。従来、視感比色法は晴天の北空昼光で行うのが適当とされてきましたが、この方法は表面色の比較に関するものであり、蛍光、透明感、光沢といった要素をもち、層状の構造を持つ歯の色の比較にそのまま当てはめてしまってよいものかが疑問です。また、天候、時間、治療室の構造上の問題から、様々な環境で視感比色法を行っているのが実状です。
 そこで本研究では視感比色法に最適な環境条件を確立することを目的として、さまざまな環境条件下で歯科医師、歯学部学生、歯科技工士、技工士学校学生により、歯冠色の色票およびシェードガイドを用いて視感比色による等色判定を行いました。
 その結果、シェードガイドの比色において環境を整備したシェードマッチングルームでの比色の精度が高いことが示されました。また、色差が大きいほど色の判別は容易であり、L*、b*、a*の順に判別が難しく、明度の差を判別しやすい条件を整えることによって、シェードマッチングの精度は向上するであろうと考えられました。
 学生時代から審美的な補綴治療、特に色に関することに興味を持ち、深く勉強したいと思うようになりました。東北大学大学院歯学研究科咬合機能再建学分野に大学院生として入局後、木村幸平教授に私の興味に沿った研究テーマを与えて頂き、研究の基礎もわからない私に研究計画の立て方からその結果の解析の仕方まで細かく指導して頂きました。また、この実験を実際に行うにあたって、多くの歯科医師、技工士、学生の皆さんに被験者として協力して頂き、特に咬合機能再建学分野の先生方には実験に際して長い時間を割いていただいたばかりか、多くのアドバイスを受け、大変参考になりました。また、依田正信助教授には研究の細かな部分を丁寧に指導して頂いただけでなく、ともすれば怠けがちな私を叱咤激励して頂き、なんとか研究をまとめることができました。
 多くの方々の御指導、御協力を得てこその受賞と、深く感謝しておりますとともに、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。


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