ニューズレター

2005年 Summer Vol.11 (2005年8月発行)より

優秀発表賞受賞者のご紹介

第14回日本歯科審美学会学術大会優秀発表賞を受賞して
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻
顎顔面機能再建学講座口腔顎顔面補綴学分野 濱野 徹

 この度、第14回日本歯科審美学会学術大会優秀発表賞(研究報告)を受賞させていただき、誠にありがとうございました。大変光栄に思っております。
 今回受賞しました発表内容は、『ガラス繊維補強型高分子材料のクラスプへの応用−繰り返し着脱が維持力に及ぼす影響について−』というタイトルで、歯科審美16巻2号に原著論文として投稿し掲載されました。
 この研究に関する経過につきまして、簡単に述べることにします。
 部分床義歯の重要な構成要素であるクラスプは、主に金属材料が用いられていますが、支台歯の位置やクラスプの種類により審美的に劣ることや、アレルギーの原因物質となる問題が考えられます。そこで、高度な審美性と生体親和性を兼ね備える歯冠修復システムのガラス繊維補強型高分子材料(以下、FRC)に着目し、クラスプ材料として臨床応用することを目的として研究を開始しました。
 まず基礎的研究(3点曲げ試験、疲労試験)を行い、臨床応用の可能性が示唆されたため、その結果を第11回日本歯科審美学会(平成12年、北海道)において発表し、歯科審美13巻2号に投稿し掲載されました。その後も、基礎的研究を進めると同時に臨床応用を行い、その結果を本学会や関連学会(日本補綴歯科学会、ICPなど)で報告してきました。
 今回の発表内容は、FRCクラスプと支台歯模型を用いたシミュレーション実験により、5,000回の繰り返し着脱が維持力に及ぼす影響について検討したものです。その結果、クラスプの維持力は、着脱回数の増加に伴い減少し、その減少程度は、支台歯の種類(硬質レジン前装冠、メタルボンドクラウン)によって異なり、また着脱回数が多くなるにつれて小さくなりました。クラスプの永久変形量は、ほとんど認められず、磨耗は、クラスプ内面に認められ、支台歯の種類により異なりましたが、支台歯にはほとんど認められませんでした。
 今後は、FRCクラスプが一般的に広く臨床応用されるよう、さらに基礎的・臨床的研究を続けていく予定です。
 最後になりましたが、今回の研究にあたり、終始ご指導を賜りました鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻顎顔面機能再建学講座口腔顎顔面補綴学分野・長岡英一教授ならびに共同研究者の西恭宏講師、木下智恵助手、水流和徳助手に深く感謝いたします。


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