ニューズレター

2006年 Winter Vol.12 (2006年1月発行)より

優秀発表賞受賞者のご紹介

学会優秀発表賞受賞に際して(臨床報告部門)
東京医科歯科大学大学院
医歯学総合研究摂食機能保存学分野 吉田恵一

 この度は第14回日本歯科審美学会学術大会において発表させていただいた「新しいオールセラミックブリッジの臨床評価」が学会優秀発表賞を受賞いたしましたこと、大変光栄に存じます。日頃からご指導いただいている学会長の田上順次先生、前学術委員長の木村幸平先生をはじめとする学会の諸先生方に深く感謝する次第です。
 ファインセラミックスのひとつであるジルコニアはその卓越した機械的性質のため工業界では既に様々な分野で用いられてきていますが、成型の難しさのため歯科への応用は近年まで行われていませんでした。しかし近年のCAD/CAM技術の急速な進歩で応用可能となりました。補綴修復といえば鋳造を用いた間接法で育ってきた自分にとっては近年のコンピュータ技術の発展を背景とした歯科技術の進歩のスピードには驚くばかりです。
 このジルコニアをフレームに応用したこの新しいオールセラミックシステムは本邦でも本年4月に許認可がおり、臨床に供されることとなりました。当教室では平成14年10月にこのシステムを導入し、さまざまな基礎的、臨床的研究を行ってきております。
 基礎的研究としては、金型を用いた単冠、3ユニットブリッジの適合精度、陶材の焼き付け強度、咬合力負荷時のジルコニアフレームのひずみの検討などを行っており、臨床に供されるに十分な性能を有していることが明らかになっています。また、実際に患者さんにブリッジを装着しその経過を追う臨床的検討については学会でもご報告させていただいたように短期間ではありますが良好な経過が得られております。
 このように臼歯部におけるブリッジ修復において破折の心配がなくオールセラミックシステムを用いることが出来るようになったという点では画期的なシステムと言えると思いますが、問題点がないわけではありません。オールセラミックシステムの大きな長所であるはずの審美性についてはジルコニアではまだ解決すべき問題点もみられますし、その長期予後についてはまだ情報も少なくこれからの検討課題と思います。我々はこれからも、基礎的、臨床的検討を引き続き行っていく所存であります。学会の皆様には今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます。


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