ニューズレター

2007年 Winter Vol.14 (2007年1月発行)より

第30回アメリカ歯科審美学会(ASDA)国際大会に出席して



桑田先生、松尾先生、寺川先生がSmigel Prizeを受賞
東京都開業 椿 智之
 

 世界で審美歯科の発展に貢献した歯科医師に贈られるNewYork大学のSmigel Prizeを日本の桑田正博先生、松尾通先生、寺川國秀先生の3名の先生方が受賞された。
 2006年10月2日〜5日、米国のGeorgia州Savannahにおいてアメリカ審美歯科学会(ASDA)の30周年記念大会が開催された。
 学会は約300名の出席の中、まず会長のDr.Irwin Smigelの30周年の挨拶に続き、審美的に失敗したインプラントの再利用術など最新審美治療の症例報告、Dr.Robert Margeasによる前歯部インプラントの審美的治療法の報告が行われた。この日はランチタイムを利用して、各々のランチテーブルでテーブルクリニックも開催された。午後からは6つのハンズオンコースから自分の好きなテーマを選んで出席するようになっていた。先日来日したDr.George Freedmanによる最新審美歯科器材の使い方のデモやダイレクトボンディング、セラミックレストレーションのハンズオンが行われた。その夜にはウェルカム・パーティーがあり、新しくメンバーになったドクターがDr.Smigelより紹介された。新しく認定されたメンバーにとっては晴れの舞台であり、ひとりひとりからスピーチも行われ、皆から暖かく迎えられた。
 2日目は朝からNew York大学の人気講師、Dr.Lally Rosentalが審美歯科の総合的アプローチ法について、その後二人の先生方が咬合に関してレクチャーを行った。この間に別の部屋でコデンタルスタッフ向けのセミナーが開催されていた。
 3日目には審美歯科のバイブル、RealityのPresident Dr.Michael Millerによる最新審美歯科器材の検証報告が行われた。その後、コーヒーブレイクを挟んで、Dr.Robert Loweが歯科用レーザーの審美歯科への応用について講演を行った。午後からは異なる6種類のハンズオンセミナーが行われた。  そしてこの日の学会最終日、毎年恒例のディナー・パーティーの席上でSmigel Prizeの発表と授与式が行われた。Smigel PrizeはDr.Smigelの当時の患者であった世界的なデザイナー、Kalvin KleinがDr.Smigelの治療に感動し、審美歯科の発展に役立てて欲しいと自分のポケットマネーから$100,000を寄付したことに始まる。Dr.Smigelはこのお金に自分の資金を足し、New York大学に約1億円のSmigel基金を設立、国際的に審美歯科の発展に貢献した歯科医師にSmigel Prizeを贈ることにした。2002年始まったこのSmigel Prizeの第1回の受賞者は今年10月にも来日し、講演を行った審美歯科界の巨匠、Dr.Ronald Goldsteinであった。その後第2回はCRA News Letterの主催者、Dr.Gordon Christensen、第3回はDirect Bondingの祖、CosmedentのDr.William Mopperなど世界中の審美歯科界で著名な歯科医師が受賞してきたこの賞に桑田正博先生、松尾通先生、寺川國秀先生の3名の先生が東洋人として始めて受賞したのである。
 Dr.Smigelとの出会いは、審美歯科との出会いでもあった。ASDA発祥の30年前といえばアメリカでもまだ審美歯科がほとんど行われていなかった時代である。まず桑田先生がDr.Smigelと知り合い、1982年に初めてASDAに参加、その後、桑田先生の誘いで1984年に松尾先生が参加、またさらに松尾先生の紹介で寺川先生が参加した。ASDAの活動や審美歯科の胎動に感銘を受けたこの3名が中心となって1988年に日本歯科審美学会が誕生したのである。桑田先生は常々「人は出会うべきときに出会う」と話されているが、まさにDr.Smigelとの出会いが日本の審美歯科の夜明けとなったのである。
 授賞式、司会者の紹介は「The best dentist of the world!」。日本から参加した18名の先生はもとより、会場の全員がスタンディング・オベーションで祝った。世界中から歯科医師が参加しているこの学会で、同じ日本の歯科医師として最も誇りに思う瞬間だった。

 

ディナー・パーティにおけるスナップ写真 受賞の3先生。左より桑田、松尾、一人おいて寺川の各先生。

 


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