ニューズレター

2005年 Winter Vol.10 (2005年1月発行)より

会員のみなさまへ

ごあいさつ
日本歯科審美学会長 田上順次

 私は、日本歯科審美学会が社会的に信頼され、期待される組織でありたいと願っています。どれだけ専門知識と治療技術に優れた歯科医師であっても、社会的な支持、つまり患者さんの期待に応え、満足を提供できなければ、歯科医師本来の職責を全うしているとはいえません。
 患者さんの不満は、治療内容だけではなく、その費用との関連において人々がどれだけ満足できたかにも左右されます。例えば保険治療であっても内容がそれなりに伴わなければ、患者さんの不満は高まります。一方、一般的な感覚からすればかなり高額であっても、患者さんが結果に対して満足してくだされば不満はないでしょう。
 日経BPのアンケート調査によると、驚くべきことに歯科医院を受診した人の77%が不快な経験や不満を訴え、そのうち51%が治療効果に対する不満、44%が歯の状態や治療の見通しの情報が不十分と回答しています。また不満を感じた人のうち70%が転医しているとのことです。歯科医師過剰というのは歯科医療提供者側の論理であって、患者の望むよい歯科医は不足しているといえます。不快、不満の理由には、歯科医の言葉使いや態度、わかりにくい説明も挙げられています。
 このような調査結果からすれば、歯科医師にとっての解決策は、あたりまえのことですが、適切なインフォームドコンセントに尽きるようです。治療費の説明は当然ですが、治療により得られる結果の予測も、患者さんの満足を得るためには必須のようです。歯科審美に関しては患者さんの期待が非常に大きいのが特徴です。その治療の結果は患者さん自身である程度判断することが可能です。そのため患者さんの期待に十分に応えられないと不満が生じ、トラブルの原因にもなりやすいといえます。しかし逆に考えれば、大きな満足を提供することも可能で、そのような場合には、患者さんからは絶大なる信頼を得ることができます。
 歯科審美のプロとして会員諸氏がその技量を十分に発揮し、患者さんとのコミュニケーションを通して信頼を得てくださることで、日本歯科審美学会の社会的評価も向上するものと信じています。そのための活動を強化してゆければと考えておりますので、ご指導、ご協力をお願いいたします。会員の皆様一人一人に日本歯科審美学会の看板を背負って社会にアピールしていただき、ますますご発展されますことを祈念申し上げます。


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